ハンモックでうとうとしていると、全身を取り巻くような風がいつまでも収まらない。
爽やかなハーブ系の香りがして、うっすら目を開けると、半透明のピーターパンのようなボタンのない緑色のひらひらした服装の青年が中空から見下ろしている。
快晴の空が眩しくて、顔の表情は窺い知れないが、穏やかな表情で敵意は無い気がした。
「あなたに、風使いの仕事を手伝ってもらいたい。」
「・・・・・」
「恒星がフォトンベルトを通過中なので、惑星や衛星の軌道が軋んでいて、表面の大気層に少しだけ影響が出ている。われわれ風使いは人数を増やしてその制御力を向上しているのだ。」
「フォトンベルトのことは知っているが、風使いは何をすればよいのか?」
「なればわかる。では頼む。これは契約の証だ。ナクスナカレ。」|彡サッ
風使いはいなくなり、俺は風使いになった。胸の上に15cmぐらいの白い鳥の羽が1本乗っていた。
白い雲に向けて平泳ぎのように両手で分けるようにすると、雲の間に少し隙間ができる。あぁ、こうやって風の流れを変えるのか。
風使いの他にもマグマを管理するもの、温度を管理するものがアサインされていることが感じられた。